マンガチック音楽会のカイセつ

マンガチック音楽会の模様を個人的な感想も含めながら解説していきます。ぼくの記憶が正しければ、大学1年から始まったこの演奏会、初回2009年3月は第0回らしいですが、10年3月、11年3月、12年3月、13年3月、14年3月、15年3月、15年11月、16年11月とやっているので8回目になるはずですね。オープニングトークはやっぱり主催が間違えてます。◯年度で数えなきゃいけないのを間違えちゃったみたいですね。

オープニングトーク

さて内容ですが、戦友である森亮平が全曲を作曲しています。いやぁ、本当にすごい!この素晴らしい曲たちを全て引き出せているかと言われたら…^^;もっともっとぼくはレベルをを上げなきゃ勝てないですね。そんな尊敬する音楽監督にとても助けられました。恐縮ですが解説させてください。

全編通しでの聴き所といえば、いつもより短くまとまった太郎さんの司会でしょうか(笑)

第一部

第二部

序曲『未来の発見』


プログラムより
プログラムより

演奏会の始まりにふさわしい華々しい行進曲風の序曲。絵と曲の関連性があるかどうかは不明。以前のマンガチックでも取り上げた曲だったので、比較的スムーズにリハーサルを重ねることが出来たと思う。

壮大な、未来を期待させるような輝かしい序奏に続き、さすがなドラムマーチ。そこから始まるメロディーはマンガチックらしい愉快な感じ。そしてどこか懐かしさすら感じる。様々なフレーズにシンコペーションが用いられ、最後まで軽快さを失わない。某コンクールの某課題曲よりもはるかに完成度の高い曲だと個人的に思う。

楽器紹介用行進曲 エラーマーチ


恒例の楽器紹介!各楽器に楽しいアンサンブルを披露してもらいました!

そして恒例の楽器紹介用の曲なのですが、今年は例年ほどちゃんと紹介してません(笑)

ウィンドウズのエラー音(CとG)が鳴り響き、演奏にエラーが生じるというユーモア溢れるマーチ。エラーによって拍が伸びたり縮んだり、フリーズしたりします(笑)中でもヒドいのがTrioで、クラリネットとアルトサックスの旋律が完全に停止してしまいます。録音では分からないですが指揮者は必死に復旧させようとします。そんな中入ってくるユーフォニアムのオブリガードがシュール(笑)その後もホルンがエラーしますが、いよいよ入ってきたトランペットのおかげで(?)次第に元に戻ります。最後の最後もエラーが…。

組曲『FACE』


喜怒哀楽を#と♭で表現した、テーマ(F A C E)・喜(F# C A E)・怒(F A C# E)・哀(F A♭ C E♭)・楽(F A C E♭)の5つからなる組曲。

プログラムより
プログラムより

『テーマ』はミディアムなテンポによる短めな楽章。3拍子を基本とした(時々2拍子が入る)美しい旋律が印象的。『喜』はスケルツォのような楽章。3拍子の中で自由に歌うソロがいかにも喜びを表現している。途中の金管のコラールも味わい深く、喜びの深さが伝わってくる。『怒』は4/4のAgitatoと、かなり急速な楽章。まさに(−_−#)な感じで、今にもブチ切れそう!イライラもしてる(笑)最終的にはその怒りはどこかへ行ってしまい、次の楽章へ。『哀』は9/8でSentimentaleという緩徐楽章。哀しみというか深い哀愁も感じる。ダイナミックな表現を避け、しとしとと演奏するせいか、底から這い出せないのではないか、とさえ思わせる。曲は一変して『楽』へ。4/4ノリのいい終楽章。こういうスタイルなんて言うんでしたっけ?(笑)恥ずかしながら^^;どなたかご教授ください。とてもポップな色調ですが、全くと言っていいほど打楽器が使われていません。それがすごい!打楽器無しでこんなにビートが出るなんて!管楽器はテンポキープが大変そうでしたが(笑)曲はそのままイェィ!って感じで幕を閉じます。

これは本編で話し忘れてしまったのですが、それぞれの楽章の前にサックスで題材の音を奏します。しかし元々書かれた曲にはそのような部分はありませんでした。当日のリハを聴いていた太郎さんが、さすがに分かりづらいし、楽章の切れ目も無いのでマンガチックに来るお客さんでは置いてきぼりになってしまうのでは?ということで急遽入れられたのです。作曲者森くんの本来の意図とは変わってしまいました。仕方ないことではありましたが、ぼくもサックスの入らない方が好きですね。切れ目なく演奏されてる様子を思い浮かべて聴いて見てください。とてもいい流れで転調していることがわかります。

※終楽章のメロディの下降系グリッサンドの時に指揮者の左ふくらはぎがツります。

『ねこふんじゃった』の主題による変奏曲


プログラムより
プログラムより

ピアノコンチェルトです。この曲も以前取り上げているので、アンコール演奏になります。一応自作自演ってこと?森くんピアノ超うまいんですよ!ずるい!黒鍵しか使わないので、誰でも簡単に覚えられ弾けるという『ねこふんじゃった』ですが、こんなに真剣にねこふんじゃったに取り組むプロたちってそういないでしょうね。この絵はさいたま市の漫画家がタイトルから連想した絵を描いてくれたものなので、曲を聴いて描いたものではありません。

変奏曲のとおり、様々なテーマに沿って『ねこ』が変奏されていきます。オケ、ピアノとそれぞれテーマを演奏したのち「素早い猫」がやってきます。ピアノは16分や32分音符を並べ、素早さを表現します。スゲー。すると「迷子の子猫ちゃん」がやってきます。犬も困るほど滞在したら曲は一変、タンゴのリズムに合わせて「黒猫」がやってきます。かと思いきや「ハンガリーの猫」が来日します。色々踊りますね。さらにはプロコフィエフ作曲のピーターと狼に出てくる「ピーターの猫」も出現します。たくさんゲストが来ましたが、この間ずっとねこふんじゃったが同時に流れてるんですよ!さすがですよね!曲は「太った猫」へ。ピアノはしばしおやすみで、低音金管とティンパニでデブ猫を奏します。「マタタビと猫」は、どちらかといえば静かな場面。ピアノの分散和音と木管楽器の対話が美しい。場面はそのまま「捨て猫」へ。ピアノソロから管楽器たちが入ってきます。いかにも森くんという甘美な歌の場面。雄大な盛り上がりを魅せたのち、ピアノソロとなり収束。曲はラストへ向かいます。また「素早い猫」が登場。「怒った猫」が現れ、(金管が煽るからw)ピリピリしますが「招き猫」の登場で音楽は横の流れに。感動の場面を迎え、あとは駆けるのみ!超絶なピアノ!それを煽る伴奏。ピアノに睨まれるおれ…。本番はいいテンポだったよね?(笑)

組曲『北沢楽天の絵』

さいたま市所縁の漫画家である北沢楽天さんの作品から、大正・昭和・明治の3枚の風刺画を元に森くんが音楽をつけました。この曲は2013年に初演しています。

大正編『時の力』


マンガチック音楽会2013プログラムより
マンガチック音楽会2013プログラムより

大正時代は「デモクラシー」という言葉に代表されるように、あらゆるジャンルに渡って民主主義、自由主義が芽生えた時代です。特に女性にとっては男女平等思想が広がって、職業やスポーツへの進出、恋愛、西洋のヘアースタイルの流行など、まさに自由な「新世界」の幕開けとなりました。楽天全盛期と言われるこの時代はそんな世の中を反映して、時の力によって変貌する女性の姿が多く描かれています。1曲目はドヴォルザークの「新世界」という交響曲と大正時代のとりわけ女性を歌った曲をミックスしてもらいました。(本番のあらい太郎氏の解説より)

とありますが、ドヴォルザークの交響曲第9番は新しい地アメリカから遠く故郷を思った曲「新世界より」なのでご注意ください。あとは太郎さんの解説どおり、ドヴォ9の4楽章に大正時代のが巧妙に入っている曲です。残念ながらそれらがなんて曲なのかは1つもわかりませんがm(_ _)mもし仮に本家の9番を聴いたことがない人がいたら、何が違うのかがわからないぐらい自然に入ってます。

昭和編『ノック』


マンガチック音楽会2013プログラムより
マンガチック音楽会2013プログラムより

昭和4年、楽天は仕事を兼ねてヨーロッパ旅行へと旅立ちます。フランスはパリのホテルに滞在中、ルームサービスを頼んだ際、ノックの音と同時にドアが開くとそこにはティーセットを両手で持ったメイドが立っていた。はて、メイドはどうやってドアをのっくしたのか。ひょっとして彼女の足が手のようになっているんじゃないか。と楽天はそんな漫画家らしい想像を1枚の絵に残しています。クラシック界で「ノック」をテーマにした作品といえばベートーヴェンの「運命」があります。有名なジャジャジャジャーン!のフレーズを彼は「運命は、こうドアをノックする」と解説しています。2曲目は「運命」をベースに書いてもらいました。「パリのホテルのメイドは、こうドアをノックする」(本番中のあらい太郎氏の解説より)

「ドヤァ!」と、完璧に決まりました。おそらくは太郎さんもわかってて言ってると思うし、仕方ないけど、訂正はします(笑)「運命はこのように扉を開く」と言ったのは弟子のアントン・シンドラーの作り話の可能性が高いということ。また、「運命」は俗称でありベートーヴェンがつけた表題ではないことから、この曲を「運命」と呼ぶことは適切ではないとされてきています。さてベートーヴェンの交響曲第5番の1楽章を元にして作られたこの曲「ノック」は、冒頭からknockというパートが大活躍します。ノック音に聴こえますが、実際は板をマレットで叩いています。途中、円舞曲のようになりますが、知ってる曲に戻ります。ベートーヴェンの5番は指揮がガチで難しいんです。2013年の時にはリハーサルで全然振れなくて悔しい思いをしました。今回、止まりはしませんでしたが、満足いってないです。助けてもらいました。奏者も大変です。指揮を見ないほうが合うなんて言いますが、その感覚積むのも大変だなあ。

明治編『露帝噬臍の悔』


マンガチック音楽会2013プログラムより
マンガチック音楽会2013プログラムより

明治37年、日露戦争勃発。その翌年、楽天によって日本発のカラー漫画雑誌「東京パック」が創刊されました。表紙には、日本軍が優勢となったことでその座が危うくなり、臍(ほぞ)、即ちヘソそ噛んで悔しがるロシアの皇帝の絵が描かれました。ロシアの代表的な作曲家といえばチャイコフスキー。彼の人気作品に「1812年」という曲があります。これはナポレオン率いるフランス軍とロシア軍の戦いを描いた作品ですが、この「1812年」をベースに書いてもらいました。(本番中のあらい太郎氏の解説より)

それにしてもすげえ絵だな(モリヤ氏談)

ほんとに(笑)日本対ロシアなので、フランス国歌ではなく日本の様々な名曲が顔を出します。因みに時代は関係無いです。冒頭のコラールは「君が代」の音列。その後「津軽海峡冬景色」や、「うれしいひなまつり」など(笑)途中完全に「盆踊り”bon-obori”dance」となってふざけます。大砲の場面では「浦島太郎」。きわめつけは最後のTbたちによる「六甲おろし」。日本が勝って終戦します。

※一番最後の前の音で右のふくらはぎもツりました。

enc.ロレボ-音列と構造の狭間で-


原曲はラヴェル作曲の『ボレロ』。ご存知の通り、スネア・ヴィオラ・チェロのppから始まり、15分くらいかけてクレッシェンドしてffの全奏で終わる盛大な曲ですが、今回は後ろからやります(笑)タイトルはそういう事です。

なので吹いちゃえば終わりです。今回は自分のパートを吹き終わったら帰る事にしました。

ロレボの6小節目付近
ロレボの6小節目付近

シンバル・バスドラは数発叩いておしまい!各パート「お疲れ様でした!」まで演奏したらわらわらとハケていきます。元々はテーマが徐々に拡大されていくものが、いきなり変わったやつから聴かされるとけっこう変な感じですね。特にハーモニーが。この曲の最大の被害者はTbです。散々吹かされたあとにソロを吹かなくてはなりません。てか全体で最初のソロがTbなんて発想がないから、ソロ前見てあげられなかった…。録音聴いたら完全に「さーし」のssssssss…が入っててウケたな(笑)「さーし」とは音楽業界(主に管楽器)の人が使う、素晴らしいが崩れて成った言葉です。

徐々に人が減っていきます。いよいよおれいらないなと思って指揮者も退場します。音楽的にはお客様も少しずつ帰って欲しいので、促しました(笑)照明もだんだん落ちていきます。

いよいよ、いよいよこの3人になってしまいました。しょうがないのでコントラバスとバスクラが超小さい音で終わります。

当日GPの様子
当日GPの様子

お疲れ様でした!