大阪市音 ホンキのバーンズ交響曲3番

聞き応え抜群!大阪市音楽団&秋山和慶が本気で演奏するバーンズの交響曲第3番

大阪市音の第100回記念演奏会のライブCDで、指揮は芸術顧問、特別指揮者の秋山和慶です。

吹奏楽曲では珍しい色彩豊かな名曲

吹奏楽曲は、どうしてもオーケストラと比べると、色彩の幅が狭く感じてしまいます。(弦楽器が無いので当然なのですが)
そんな中、このバーンズの交響曲3番に関しては、吹奏楽とは思えない色彩豊かな作品だと思います。今回はその魅力について語りたいと思います。

3楽章ナタリーのために

バーンズ交響曲3番で特に印象的なのはやはり3楽章だと思います。
オーボエから始まるのメロディは、意外にも長調で書かれていて、伴奏は音の並びこそ短調ですが、楽譜上驚くほどシンプルに書かれているのです。
実は、バーンズがこの曲の作曲を依頼される数日前、娘を亡くしていて、その娘の名前がナタリーだったのです。まさに副題の通り、この曲はその亡き娘のために書かれたということなのです。
娘を失った悲しみや祈りなど、様々に解釈ができると思いますので、是非聴きながら想いを巡らせてみてください。
こういった作曲のバックグラウンドを知ることについての賛否はあると思いますが、個人的にはより一層曲を好きになれると思うので良いと思います。

4楽章(ビリーのために?)

3楽章とは打って変わって4楽章は底抜けに明るいホルンのファンファーレで始まります。
その後もこのテーマを軸に曲が展開していきますが、このテーマでは音域や音の並びについて、ホルンの特性が存分に活かされています。
ただ、ホルン吹きとしてはキツイし、音も外し易い音域なので、泣かされてしまうことで有名です…
4楽章が終楽章なのですが、1〜3楽章に比べ短く、演奏時間は約7分となっています。この約7分間、全力で駆け抜けるように演奏されます。
そして、この曲が作曲された3日後、バーンズの息子「ビリー」が産まれたのです。バーンズ自身も「4楽章はビリーのための曲といっても良い」と言っていたらしいです。
亡くした娘への悲しみと、新たに生を受けた息子への希望という大きなコントラストによって、最後のフィナーレの感動はひとしお大きなものになっています。

大阪市音のホンキ

この演奏では、大阪市音の迫真の演奏を聴くことができます。
第100回の記念演奏会ということもあり、メンバー的にも演奏内容的にも非常に気合が入っています。
特に聴きどころは3楽章に代表される弱奏部分のアンサンブルとフィナーレの一体感です。
冒頭でも書いた通りこの曲は色彩感が素晴らしいのですが、特にそれはソロの伴奏などの弱奏部で顕著に感じることができると思います。
そしてなんといっても、フィナーレです。
前出のとおり、4楽章は最後まで一気に駆け抜ける疾走感が素晴らしいのですが、その最後のフィナーレに向かって一体感がどんどん高まっていく様が、まさに鳥肌ものです。

このCDについてはこちらのエピソードで熱く語っています。
ep.12 200回練習

そんな熱い熱い演奏を、ぜひお楽しみください!