ウィンナホルンで映画音楽!(+ホルン雑学)

定番の映画音楽を圧巻のウィンナホルンアンサンブルで楽しむ!

今日ご紹介するのは、ウィンナホルンアンサンブル団体である「Vienna Horns chamber music ensemble」の「Director’s Cut」というCDです。
このCDには、誰もが一度は耳にしたことがある映画音楽がホルンアンサンブルバージョンで収められています。
収録曲の一部を紹介すると、

  • Independence Day
  • Jurassic Park
  • Back to the Future
  • Harry Potter and the Goblet of Fire

といった、世界的に大ヒットした有名映画が名を連ねています。
今日はこのアンサンブルの魅力やウィンナホルンの面白さについてご紹介します。

Vienna Horns chamber music ensembleの魅力

繊細なアンサンブルと圧倒的な音圧

このアンサンブルの魅力を一言で表すとしたら、「表現の幅の広さ」が似合うと思います。
時にオーケストラを丸ごと「喰う」ほどの音圧と音量でホールをホルンの音で満たし、また時にはメランコリックで繊細なハーモニーを奏でます。
下で紹介する動画の「ジュラシックパーク」では、特に柔らかな音色を感じられます。また、その伴奏の高音域でのアルペジオは、非常に正確で目を見張るものがあります。
もう一本の動画、「Back to the Future」では圧倒的な音圧を楽しむことができます。
特にフィナーレの直前、12本のホルンの音域が最大限拡散して奏でる強奏部の音圧は、正に圧巻です。


これら動画については、こちらのエピソードでも語っています。

多彩なレパートリー

このCDで演奏している「Vienna Horns chamber music ensemble」(直訳すると、ウィンナホルン室内合奏団)は、2002年に設立されました。公式ページによると、世界で唯一のウィンナホルンアンサンブル団体だそうです。
今回紹介している映画音楽はもちろん、様々なアレンジ曲やオリジナル曲の録音が出版されています。
アレンジものの一例を挙げると

  • オリンピックファンファーレ(J.Williams)
  • 交響曲第4番(A.Bruckner)
  • Bohemian Rhapsody(Queen)

たったこれだけで、ジャンル問わず様々な音楽に取り組んでいることが伝わることでしょう。
これは、前述の表現の幅の広さがあったらばこそ可能となっているものだと思います。

オーケストラ、オペラで活躍するメンバーたち

このアンサンブルのメンバーは、ウィーンフィルをはじめ、オーケストラやオペラハウスの第一線で活躍するメンバーで構成されています。
動画の中で、メンバーがとても楽しそうに収録している様子が伺えますが、普段のオーケストラやオペラとは全く違うレパートリーを演奏していることは刺激的で楽しいということは、想像に難くないでしょう。
その「楽しんでいる」という感覚がより演奏を素晴らしいものにしているのかもしれません。
メンバーの一人、現在ウィーンフィルで活躍しているトーマス・イェプストル(Thomas Jöbstl)の演奏動画がこちらです。

ウィンナホルンを知る

ウィンナホルンは、その独特のヴァルヴの機構(ウィンナヴァルヴ)や、特殊な巻きのマウスパイプの構造(ボーゲン)などから、通常のフレンチホルンよりもさらに演奏難度が高いことが知られています。
ここでは簡単にフレンチホルンと比較する形で、ウィンナホルンの特徴をまとめてみようと思います。

  • ヴァルヴの形状がウィンナヴァルヴ(フレンチホルンはロータリー)
  • マウスパイプが抜き差し式&複数巻きで円形のボーゲン(ほとんどのフレンチホルンはマウスパイプは固定され、巻きはない)
  • ボアが細い(ウィンナホルン:約11mm フレンチホルン:約12mm)
  • ほぼ全ての楽器に幅広のクランツが付いている(フレンチホルンはオプションであることが多く、幅も狭い)
  • シングルホルンしか存在しない(実用的なフレンチホルンのほとんどがダブル、もしくはトリプル)
  • リムが薄く、Vカップの深いマウスピースを使うことが多い(フレンチホルンよりも楽器自体の抵抗がおおきいから)
  • 右手のいれ方が微妙に違う(ベルが細いから)

ざっくりと違いをまとめましたが、こちら↓の文章を参考にさせていただきました。
「ウィンナホルンのいま」(佐々木直哉)
非常にわかりやすく解説されていますので、是非ご一読されることをお勧めします。

伝説となっているウィンナホルンアンサンブルの音源

コアなホルン好きにとって、ウィンナホルンアンサンブルといえば、ホルンアンサンブルのバイブルの一つともなっているこちらのCDが有名です。
ウィンナ・ホルンの饗宴
こちらは1969年(約半世紀前!)に出版されたLPが原盤です。
当時発売されたレコードには、なんと楽譜が付いていたそうです。今のように簡単に楽譜が手に入る時代ではなかったでしょうから、大ブームが起きたことは想像に難くないでしょう。
中でも「聖フーベルトミサ」は、まさにこの演奏を発端に、現在に至るまでホルンアンサンブルの定番中の定番となりました。
プレーヤーの顔ぶれも非常に豪華で、フォルカー・アルトマンやギュンター・ヘーグナーといったウィンナホルン界のレジェンドたちが名を連ねています。
数年前タワーレコードから復刻リマスタリング版が発売されています。
約1000円という超お買い得特価なので、見かけたら即購入されることをお勧めします。
また、こちらはリマスタリング版のライナーノーツを執筆された方のブログです。この音源への愛がひしひしと伝わってきます。
本日発売!(でした…) フォルカーの部屋 What’s New!?

ホルニストのアンサンブル好きは世界共通

このpodcastでも再三、ホルン吹きたちの異常なまでのホルンアンサンブル愛について語ってきましたが、このpostを書きながら「これは時代や国を超えて、全てのホルニストに共通しているんだな〜」と改めて感じました。
ホルン吹きもそうでない方も、是非これを機にホルンアンサンブルに触れてみてください!

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